インプラント・ブリッジ・義歯
インプラント・ブリッジ・義歯
インプラントとは、チタンや合成材料で作った人工歯根(インプラント)を顎の骨に埋め込んで歯を形成する治療法です。近年は技術や材料の進化で、安定的な治療成績を残すようになり、アレルギーも少なく利用者が増えています。しっかり噛める、他の歯にかかる負担を軽くできる、隣の歯を削る必要がない、虫歯にならないなどのメリットがあります。一方で、インプラントが骨と結合するのを待たなければならないため治療期間が長くなる、手入れが不十分だと感染することがある、費用が高いなどのデメリットもあります。また、顎が完全に発達していない子どもには適用できません。
治療の条件は、治療予定の場所に骨がしっかりとあることです。骨が足りないとインプラントを埋め込むことができないためです。骨が足りない場合は、骨移植手術を受ける必要があります。またインプラント治療は外科手術であるため、治療を受けるには全身の健康状態が良好である必要があり、持病(心疾患、糖尿病など)がある場合は施術が難しい場合があります。成長期の子どもには適していません。
☑️ 周りの歯への負担が少ない。 ☑️ 見た目は天然歯と違和感がなく、審美性がよい。 ☑️ 天然歯に近い噛みごたえがある。 ☑️ 発音が安定する。 ☑️ 生活レベルが向上し、利便性や快適性、審美性が高まる。 |
☑️ 外科手術になる。 ☑️ 自由診療のため治療費が高額になる。 ☑️ 治療期間が長い。 ☑️ 天然歯に比べて感染症に弱い。 ☑️ 定期的なメンテナンスが必要 |
● 術前検査
歯周病の検査、血液や心電図などの臨床検査、CT検査などを行います。持病や内服しているお薬などもご申告いただきインプラントの適応かどうかを総合的に判断します。
● 外科手術
適応と判断されれば外科手術となります。
術式は1回法と2回法があります。
どちらを選ぶかは骨の状態により、骨の量と硬さに問題なければ1回法、骨の量が少なく骨移植をした場合や、硬さが足りない場合は2回法になります。
1回法はその名の通り1回手術する方法で、インプラント体を埋める部位の粘膜を切開して骨を露出させ、ドリルで穴を開けワンピースインプラントを埋め込みます。
2回法は2回手術する方法で、1回法と同じく埋め込んだ後、上部の穴にカバーを付けます。切開した粘膜を縫合し1回目の手術は終了です。2回目の手術はカバーの上の粘膜を切開し、カバーを除去。その後仮のアバットメントを連結します。粘膜が治癒したら本物のアバットメントを連結し終了です。
1回目と2回目の間はインプラント体と骨が結合する治癒期間が必要で、上顎は5ヶ月前後、下顎では3ヶ月前後が目安となります。
2回目の手術の治癒期間は、大体2~3週間が目安です。
● 消毒、術後検診
術後1週間で抜糸します。
インプラントが定着するかをみていきます。
● 定期メンテナンス
インプラントが定着後も定期的な検診でインプラントに感染などの異常がないかをみます。
定期的なメンテナンスや毎日のケアが不十分であると、インプラント周囲炎になる恐れがあります。インプラント周囲炎は自然に治ることはないため、歯科医院で適切な処置が必要です。
炎症が進行している場合は、突然抜け落ちてしまうこともあり、インプラントの摘出が必要なこともあります。インプラント治療によってこれらのような問題が起きないよう、定期的なメンテナンスは必要です。
インプラント治療に対して、いろいろな心配や不安を感じている方が多いと思います。
実際の治療内容に関して、院長やスタッフから保険診療でも自費診療でも最適な治療法を選択、提案していますが、保証や治療後のケアなどについても非常に大切です。
当院ではそのような不安を軽減し、より安心してインプラント治療に臨んでもらうよう、保証制度を設けています。
これにより患者さんの負担が減り、治療経過を見守ることで、患者さんの安心・健康につながると考えています。
ブリッジは欠損している歯の両隣の歯を削り、削った歯を土台として固定する治療法です。
☑️ 取り外す手間がない
☑️ 保険適用のため安価
☑️ 治療回数や通院回数が比較的短い
☑️ 健康な歯(失った歯の両横の歯)を削る
☑️ 隣接する歯の負担が大きい
☑️ 土台の歯が虫歯になりやすい
取り外す手間がなく安定性も高いため、天然歯と同等の噛み心地を得られるのがメリットです。さらに入れ歯ほど見た目にも違和感がありません。
ただし、隣接する歯をたくさん削って土台とするため、周りの歯への負担が大きく、健康な歯の寿命を縮めてしまうデメリットがあります。一度削った歯を元に戻すことはできないので治療するかどうかは慎重に判断しなければいけません。
入れ歯とは、様々な理由で歯がなくなってしまった場合の治療方法です。残っている歯があり、それを土台にする場合は部分入れ歯、すべての歯がない場合は総入れ歯による治療を適用します。
入れ歯は、種類によっては見た目が好みと合わない、装着すると違和感がある、話しにくいなどの問題が起こることがあります。これらの問題が起きないよう、お口の中の状態を正確に診断し、医師と相談をしながら適切な入れ歯を選び、定期的なメンテナンスを受けることが大切です。
入れ歯は喪失した歯に代わる人工歯と義歯床、そして歯に固定するクラスプと言われるバネでできています。
それぞれの材質により費用が変わります。
● レジン床義歯
歯科用のプラスチックであるレジンで土台(床)を作ります。保険診療のため治療費が安く1万円程度です。
適用範囲は広くほとんどの症例に使用することが出来ます。
自分の歯が残っている場合にはその歯に金属のバネをかけて固定します。
デメリットは、入れ歯を支える金具が目立ってしまうこと、強度を確保するために土台の厚みを持たせることで使用時に違和感(噛みづらさ)が出てしまうことです。
少し割れやすさもあり、保険適応外のものに比べ審美性は劣ります。
バネが気になることもあり、バネのかかる歯に負担がかかります。
お悩みがある方は下記もオススメです。
噛みづらい方→金属床
バネが気になる方→ノンクラスプデンチャー
保険外診療の入れ歯は、費用は高額になりますが見た目が自然で装着時の違和感を少なくすることができます。
● 金属床の入れ歯
メリットは入れ歯のたわみが少ない
→しっかりと噛める
→入れ歯があたって歯肉が傷になることが少ない
さらに金属の強度から、薄くできるので違和感が少なく、会話を妨げにくいです。冷たい、温かいなどが感じやすく、食事が楽しくなります。
● ゴールド床義歯
金で土台(床)を作ります。費用は比較的高額になりますが、金属アレルギーや体への影響は少なく、腐食や変色は起こりません。
● チタン床義歯
チタンで土台(床)を作ります。チタンは体の中に埋め込むことが出来るほど安全性の高い金属で、安心して長く使用できます。
●コバルトクロム床義歯
コバルトクロムで土台(床)を作ります。コバルトクロムは義歯素材として長い歴史のある安心できる素材です。耐久性と快適性に優れており、金属床の中では比較的安価で製作できます
●ノンクラスプデンチャー
樹脂で作られており、薄く軽く弾力感があるため装着時の違和感が少ないことが特徴です。金属を使わないので金属アレルギーの心配はありません
● シリコーン入れ歯
歯ぐきと接する入れ歯の内面に特殊な柔らかさが持続する生体用シリコーンを貼ることで、「痛くなく、よく噛める」入れ歯を実現します。
また、吸盤のような作用で歯ぐきに吸着しやすい特徴も持っています。
● マグネットを併用した義歯
残歯がある場合、歯と義歯にマグネットを装着して磁力で義歯を安定させます。
歯のない状態にもよりますが、マグネット一つでも義歯の安定を望める場合が多いです。
マグネット装着可能な歯がある場合にのみ可能な治療です。
残っている歯にやさしい治療で、入れ歯の安定も得られやすい。
使用するマグネットの本数により、かたつかない入れ歯にすることができますが、マグネットの数が少ないと、十分な維持力が発揮できないことがあります。
残歯がない場合、インプラントを埋入して、インプラントにマグネットを装着することも可能です。